『これでもいいのだ』ジェーン・スーを探して 辿り着いたは仏の道? 笑いと安堵感 おばさん万歳!

久しぶりに大型書店へ!
探し物はジェーン・スー、町田康

しかし「作家」で探すのって大変じゃないですか?
本屋の棚って大概、出版社ごとに分けられてるから
検索機なるものもあったけど使うの面倒だし
まあ探し出すまでの寄り道時間も楽しめる大人として
(時間はあったのでね)
店内をぶーらぶらしてみることにした
そんなときの「出会い」にも期待しつつ

それにしても本屋がデカすぎる
在庫が多い分、取り寄せしなくて済むことも多いだろうから、
読みたいタイミングを逃さないのはよいのだけれど・・・

私は特に「読書家」ではないし
読むスピードも速くはない
読みだしたら自然と他の事が思い浮かび、
気づけば同じページの同じ行だけを何度も読んでしまうタイプ 苦笑
そのくせ読書家に憧れるところもあって
たまーに特定の作家にロックオンし、
一時期読み漁るということがある
遠藤周作・井上靖・江戸川乱歩(短編)などなど

基本、本は「作家」で選ぶ
しかも「文学作品」に手を出す傾向があり・・・
これは”文学少女“(今は中年)への憧れか
なんか読んでみたくなるんですよね~

でも大抵買って満足して冒頭だけ読み一旦閉じる、
読む気満々のタイミングを逃す、あるいは
私の理解力・読解力が及ばす意味が分からんとなると
さっきの「同じページの同じ行」だけを熟読することもザラにある
ドフトエフスキーとかね 苦笑
*某N〇Kの「100分で名著」はありがたい
伊集院光が読み砕いてくれるからよくわかる~

ちなみに私の選ぶ作家には重要な基準があって、
“その作家がすでに亡くなっていること” が前提
この場合の「作家」は「小説家」と分類される人のことです

というのも、これは例えば好きなロックバンドが解散して
そのあとソロになったらポップソングのアルバムを出した時と同じ
なんとも言えないあの感情はなんだろうか・・・
「裏切られた感」というか
そして愛が憎しみに変わるんですよ
しかもロックからポップなんて!苦笑
ファンとしては一旦理解をしようとは試みますが(ファンてケナゲなのです)
だいたい最終的にさようならです

まあ人も生きてる限り常に変化しているから(諸行無常ってやつです)
作品の方向性が変わるのも仕方のないことだったり、
本当はポップが好きなのに、
当人は「売れたい」、マネージメント側は「売りたい」の結果の“ロックバンド” かもしれないけど、
(ありがち過ぎるパターンですね)
一度ファンになってしまった方からすれば
「何それ~!!?」となってしまうわけで
「騙された~!」「裏切られた~!!」と

私はその思いをするのが非常に嫌なのですよ

同じく小説家に対してもそんな気持ちになりたくない
絵画でも、どの作品が好きより、どの画家の絵が好きか
映画でも、誰(監督)の作品が好きかで観る観ないの選択をする傾向もある
その人の「ファン」にならないと興味が続かない

作品は作った人の「分身」だから
この作品が気になる、となった時点で
誰がこれを作ったのか、に私の興味は即移ります
そしてフィーリングが合ったとたん、その人の(ケナゲな)ファンになるのです
これには結構エネルギー(&お金)がいるから
方向転換を一緒にするのは非常にしんどい・・・
裏切られた感ってドッと疲れるし

その点、すでに亡くなっている作家は
それ以上作風を変えることないわけです
安心ですw
思う存分ファンになれる♡
という塩梅

ただ「エッセイ」と言われる作品に関しては
そこまで変化に対する警戒心はありません

だから、今回のジェーン・スーも
とりあえず気になる人ということで気軽に捜索対象に

そもそもは私のYahooニュースに何故か、
彼女がやっているポッドキャストのラジオ番組の話が上がってきたことから
Yahooのアルゴリズムがよく分からん・・・

一応、そのポッドキャストも聴いてみたけど
なんとなく文章を読みたくなった

もともと名前は知ってたし、
知った当時も多少追っかけたような気もするが
記憶にうっすーい感じで
ジェーン・スーってそういえば何者だっけ?
日本人だっけ?みたいな

最近はそんなことがよくあるんですよね~
長く生きてきたせいか、時間が記憶を薄めてしまう
それか、溜まった記憶も自然淘汰されたり
似たような経験がミックスされて
事実とは違った形で今の記憶になってる可能性もアリアリだしね
まさにジェーン・スーの(おばさん)世界と同じ 苦笑

で、長々前置きすみません
ということでここからミッション開始!
ジェーン・スー探しに出発です

とりあえず占有率高い文庫の棚に目配せしつつ

さすがに岩波はないだろと今回はスキップ
新潮もないだろと思いつつ、平置きの中にひょっとして・・・やっぱないね

これじゃ目的果たせないかも(体力的に)と思い
イッキにPHPあたりにジャンプ!


おお発見!?みうらじゅんの『アレの名前大百科』ってw
また平和な本を出してますね~
ちょっと中身もチラ見してみた
相変わらず “みうらじゅんワールド” でしたw
で、ニヤけながらそっと書棚へ戻し、ふと横を見ると
禅宗のお坊さんが書いた、生き辛さを感じてる人向けのような本発見
みうらじゅんの隣に僧侶て・・・おもわずアハハと小さく声を漏らしてしまった
なんか癒し系のエリアだな~
まあその方のお名前が「桝・・何とかかんとか」さんだったから
単にあいうえお順だっただけなんだけど
ちなみに金額は100円しか違わなかった(お坊さんの方が100円上)

ここも長居していては本来の目的を達成できなくなるので
後ろ髪ひかれつつ先へ

うだうだ・・・そしてついにその島 中公文庫へ辿りついたのであります

■寄り道の末の再会!

ようやく辿りついたジェーン・スー作品は『これでもいいのだ』(中公文庫)
本体640円 税込704円
やったー!!
正直、ここまでの寄り道中に腰に痛みが出始めてきたから
本当にようやく!「Finally!」って感じ

しかし読書家ではない関西人のおばはんは
ここからこれを買うか買わないかの審査に入る
この期に及んでケチります 苦笑

まずは裏表紙のあらすじ(?エッセイだとなんていうのかしら)チェック
お、66編もあるのか、お得かも?
ザ・関西人

中を開いてタイトルチェックし
気になるページをチラッと読み、自分の求めている感じかを確認
本に限らず「作品」はフィーリングというか
CDも視聴なしで買うことはめったになかった(平成までの話)
そこらへんは自分の直感を信じることにしている
インスピレーション重要です

きましたね~
たまたま開いたところに「ボンジョヴィ」とあったら
もう「なになに??」ってなるでしょw

で、結局これは買うことにしようと決意だけして、
その日は帰宅したというww
言い訳?すると、
1. 腰が痛かったので早く帰りたかった(我慢が利かない老体)
2. 楽天で売ってないか調べたかった(ポイ活)
3. メルカリは?(あがき)
4. 出会えたことだけで本日のミッション終了でよしとする(多くを求めない?!)
とりあえず以上をクリアしてから、それでも欲しいと思ったら買おうとなりました
それに今はなるべくなら断捨離で、
買うより手放す方に意識があったりもする
事あるごとに断捨離せねばと思いつつほぼほぼ同じ物質に囲まれてる・・・
年齢とともに部屋の新陳代謝も上手くできない

結局それらすべてをクリアした翌日、
見つけた本屋ではない駅ナカの本屋で購入~
意味わからんでしょ 苦笑


■さてさて、どんな話が聞けるのかな~ びずりーち☝

それから熱が冷めないうちに読み始め
いろんなことが明るみになった


単に個人的に疑問だったことについてだけど

まず、私、ジェーン・スーと同い年だった!
1973年生まれの第2次ベビーブーマー
それだけで親近感ですよね
私は昔から年齢より若く見られるタイプで
最近は敢えて歳を明かす機会もないのもあって
もし年齢聞きたそうだなーと感じたら
同い年の有名人を挙げることにしている
宮沢りえ・ゴクミ(早生まれだけど同級だから)・イチロー・浅野忠信・金城武
いいのばかり羅列してw
スマップでいうと稲垣くんだよ、とか

今度からここにジェーン・スーも入れさせていただきます!ww
(これ言って話が通じた人とはお友達になれます)

それぞれのエッセイの中にも同じ年代で自分も見てきた、経験してきたことに
いちいち小さく大きく笑ってしまった
私にもバブル期全盛の先輩がいて、赤坂のソウルバーに連れてってもらったことあった
割り勘なんてありえないって、おごってもらい方教わったw
ボンジョヴィもガンズもチェッカーズもビンゴ
「フローネ」も説明なしでOK、歌が回り始めて止まらない 苦笑
おまけに中森明菜ね、私も聖子派ではなく明菜派!
わーい!😄 ウケる~
私はヒップホップは好きじゃないけど、
それがどういうものかを知ってなるほどだった
ところどころ彼女の経験や交友関係がやっぱ東京の人やな~と感じるところもあったな
(関西の田舎とは違うねって感じ)
お父様が咀嚼を50回するというのを読んで、ふと真似してみたくなり
さすがに50回は最後はただのカラ咀嚼にしかならず時間と労力の無駄、
せめて20回は噛むようにしてみたら
なんと噛むほどに味変して美味しくなるのを感じた!
よく噛むと暴食予防になるし健康的だし、
さらにご飯も美味しく感じれるなんて
気づかせてくれてありがとう!w

そして様々な変化に抗いながらも
最終的に開き直ったおばさん具合は共通だった
おひとり様行動も似てるw

あと、思った通りの作風?ではあったけど
意外と(というと失礼ですが)スーさんは繊細というか真面目な人だなーって
ユニークでオモロイ言葉のセレクトで笑えるんだけど
ちらっと真顔を見せてる
私はもっとお気楽なところがあるので
それが牡牛座(彼女)と獅子座(私)の違いかなーと思った

■このエッセイを最も楽しめる人は?

やはり40代後半~50歳くらいの女性
顔のシミ・シワを敵と思って闘ってきたけど
もはや負けを認め、相手を受け入れてしまったお年頃の方々
今となってはあってそれが当たり前の空気のような関係性になっているみたいな
鏡に映るスッピンの肌
無数にも思える数のシミ・そばかすを見てかつてガッカリしたことがあるけど
たしかどこかでこれ見たことがある
そうそう、
よく駅ナカで肌チェックとかしてたりしますよね?
それで若かりし頃見せてもらった潜在的シミ・そばかすだらけ自分の未来の顔・・・
まさにアレでした
あのときはこんな商法に騙されてはならぬと即座に目を背けてみたけれど
見事に予言が当たったみたいな 苦笑
性格はひねくれてても、体はなんと素直なこと!

あーあと思いつつも
これは私が生きている(生きてきた)ということだから
生き延びてきたことを祝わないと、くらいの境地ですよ


そんなターゲットはニッチで結構ピンポイントに思いますが、
中年女性が読んで共感できる、笑える、安心できる

加えて、「けったいな子」として大人から言われてきた私のような人間には
ここにも同類がいてくれたと思えるのがなんか嬉しいし
とりあえず出てくるネタに懐かしい~って
これは加齢したからこそ得られるセンチメンタルな癒しですな

このエッセイの解説や帯を書いてる人は
内容からして年下の年代のようだけど(宇垣美里さんという人)
少なくとも30代までの人が読んでも響くかどうかは
正直疑問な気がします
響く人はおそらくヤングの中でも少数派?ではなかろうかと

私見ですがそもそも、
やっぱりまだ若いのにおばさんを意識するなんてもったいないから
そういう意味ではお勧めしないかな~
あと10年位経ってから、この作品に出会うのがベストのような気がします
先を想像するより、年相応の時間に集中して生きたほうがハッピーだと思う
(辛いことがあったとしても)
おばさんになって振り返ると、私自身がしみじみそう思うことが増えたからね
ジェーン・スーはもっと大人になってから読みたまえ!

ちなみに男性の読者にも読んでほしいとは思うけど
まあ普通は出会わない作品でしょうね、この手の作品には
その”出会わない”タイプの男性にも読んでもらいたいですが

■今の自分を受け入れる

ジェーン・スーは「おばさん」バージョンの自身を語ってくれてるけど
どの年代であっても、その時の自分のことを理解し(客観的な目で)
自分がどうゆう人間なのかを知ることがまず最初だと思う
幸せは自分の中にあるってやつ?

回向返照(えこうへんしょう)ー
自らを顧みて自分の良さや今まで知らなかった自分を発見する

からの~

無事是貴人(ぶじこれきにん)ー
何も求めず、何もしなくていい、本来の姿であれ

ねこがそう教えてくれました(『ねこ禅』参照)w

私は40後半くらいからは人生開き直って
なんでも深く思い悩むことはしなくなった
そんな時間がもったいないのだ
他人からどう思われようが気にしない
そう、鈍化したともいう
もともと楽観的なタイプなので
そんなに悩んだところで結局そんなこと忘れて他のことやってるんだけど
むしろその展開が分かっているから(お決まりということ)

自分がそういうヤツだと知っているから
悩むだけ時間の無駄という開き直りが生まれるという

まあ最初から「他人は他人、自分は自分」でやってきているのでね、
改めてそれを思い出して次へ進むと言いますか
英語で言うと
「move on」とか「forget it」とか、「let it go」とか好きなフレーズ
(無理やり英語ネタ突っ込んでみたw)
早く切り替えて前進すればいいのですよ
「It could happen」も好きかな
そんなこともあるっしょ、みたいな

だって40後半なんて人生折り返し地点よ
本気で残りの人生考えないと時間がないのよ!!
楽しいことは早いこと始めて長~く味わいたい!

■パンデミックのおかげ ただでは起き上がらない精神

個人的に私はコロナを機に、
これまでの会社員生活を考え直すことに踏み切った
今は経済的に苦しくても、時間の余裕を優先する生活中であります

コロナは人類に強烈な打撃を与えたけど
それで私は目が覚めたのだ
だって毎日満員電車で通勤・帰宅の地獄から免れる日が来るなんて
3年前に誰か想像してました?
そもそもそんな発想すらしないから期待もしてない
それが今現実になっているのよ

ドラえもんの道具でも借りない限りそんなことできるはずもないようなことよ
アニメや物語の中でしかありえない現象
私にとっては奇跡が起こったも同然
これって今が変われるチャンスじゃない?って

まあでもね~それができる環境にいる人が
まだまだ少ないんだろうなとは思います
私のようなおひとり様でなければ
個人の自由ってない世の中ですからね

時間的、精神的、肉体的余裕があればいいのだけど
会社員で毎日会社に縛られてたり、
子育てに一所懸命でそんなものが無い人が多すぎて
どうにかならないですかね
多分それらの余裕があれば、
みんなもっと楽観的な発想もできて自分のままで生きやすくなるのに

昭和の軍隊式を引きずったような教育や規則もやっと見直されだしたし
(私はすべての法律のアップデートを期待している)
あとは時代錯誤の発言しかできない政治家に隠居してもらう日が来てくれれば
やっと21世紀の始まりと言えるように思う

インターネットやソーシャルメディアは
飛行機以来の人類を変える大きな発明なんだから
変化に順応できない人は自然淘汰されることでしょう・・・

■いろんな人間がいていいのだよ、ということ

タイトルの『これでもいいのだ』の「これで」っていうところに
ジェーン・スーの寛容性というか、
お釈迦様のような?優しさを表しているように思った
』ってまさに「多様性(Diversity)」と「包括(Inclusion)」の現代に多用される助詞ですよね

あなたも私も、じいちゃんばあちゃんも、にいちゃんねえちゃんも、
男も女もトランスジェンダーも・・・『も』がいっぱい
それをみんなが許容することがスタンダードとされる時代に
この本のタイトルも著者の思考や行動にも
現代らしさと単純に「やさしさ」を見た気がする

同い年の西のおばはん(=ワタクシ)の場合は、
元祖「これでいいのだ」ってところの方がまだ強い
Just what it is みたいな(そういうもんだから仕方がないって感じ)
That’s what I am とか(それが私という人です)
*こういうwhatの使い方って英語っぽいですよね また英語ネタぶっ込みましたww
自我のプッシュ!
そもそも関西のおばはんてそんなイメージじゃないですか?
私もどうやら”One of them” 苦笑

私は自分の中で完結(納得)したら、
あとは他人が何を言っても気にしない
要するに他人の言動には干渉しない
なぜなら私も干渉されたくないから
オカンがよくいう「うちはうち、よそはよそ」と同じ

でも東のスーさんはそれもあるだろうけど、
さらにその先に行ってる気がしたというかね
寂聴さんのような感じ?

私は禅の教えに共感するところが多いけど、
達磨大師さんって、死ぬ前には念仏三昧を行していたらしいですね
禅宗(自力)の達磨さんが真宗的教え(他力)に変わったって読みました
真宗は厳しい修行をしなくても
「南無阿弥陀仏」のような念仏を唱えることで誰もが極楽浄土へ行けるという宗派
達磨さんは結局長く修行をしたところで煩悩がなくならないのなら
煩悩を持ったままでも救われる他力の教えを求めるようになったそうですよ
*「他力」とは一般的に連想する「他力本願」の意味とは違うみたい
まあどちらも仏教なので、目的地は同じ(浄土)で
悟りの道のりや手段が違うだけですが
私は宗教に興味はあるけど特定信仰・宗派の信者ではありませんので
↓詳しくはこのサイト、面白かったです
自力と他力の違い (true-buddhism.com)

同じおばさんでも
ジェーン・スーには一歩先を行かれているようだ・・・
うーむ、なんか達磨さんにも思えてきた

他力を目指し?さらに修行を積まねば!!
南無~

でウマいこと着地!と思ったら・・・

おっと!
忘れてました!!
町田康!!w
町田さん、すみません
またの機会にお探しいたします

では改めて、
南~無~

Take it easy!

*以上、言うまでもなくすべて個人の見解です
途中の敬称略も悪しからず

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