【名画再レビュー】イタリア映画『イル・ポスティーノ』

映画

私は気にいった映画のDVDは購入してしまう傾向がある
それは後からまた見てみたい、あるいは見てみたくなるはずだと直感した作品だったり
単純に一度見ただけでは私の脳が理解できない、という致命的な現実と
それをそのままにしておけない強迫観念的な性質も関係する

というわけで、自宅にはそれなりの数のDVDが保管されている
まあ「数」というよりは、大体はヘンテコなDVDのコレクション

最近それらを見直す時間ができたので、
うろ覚えがご自慢のワタクシではありますが
今のタイミングでそれらを改めて鑑賞し、
今の自分の感性を確認しようと思います

一応シリーズ化する意気込みで!
今回はその第1回です

■イタリア映画『イル・ポスティーノ』とは

まずこのDVDを取り出すきっかけは
私のYahooニュースのリスティングに
「パブロ・ネルーダは毒殺だった」という記事が上がってきたから
おお、そういえばあの映画に出てきた人だ!と

このパブロ・ネルーダという人は
チリの詩人(ノーベル文学賞受賞)で政治家、外交官だった人
日本じゃあまり知られていないでしょ?
私もほとんどそれまで知らなかったけど
この『イル・ポスティーノ』に登場する重要な人物で
これまで死因は心臓発作とされていたが
遺体から毒物が発見されたというニュースだった
まあそれ自体は然もありなんといった感じ

映画の主人公はタイトルにもなっている『イル・ポスティーノ』(英語では『The Postman』』
つまりは郵便配達員の男性
素朴でのんびりとした性格で
漁師町の漁師の息子、母親はすでに亡くなっており父子の二人暮らし
痩せこけていて、いかにも田舎の貧しい青年の風貌
と、ここでこの主人公マリオを演じたマッシモ・トロイージに注目なのです
メチャクチャ役にハマってる~!!

実はこの映画に最初に興味を持ったきっかけは
この作品が彼の遺作だというところ
しかも撮影の12時間後に亡くなったというので
ただの遺作ではなく正に「本物の遺作」「遺言」じゃない?と
本人がこの作品に惚れ込み、
当時心臓病を患い余命がわずかと知りながら
その情熱で撮影を続けていたそうです
まさに人生を賭けた作品
それだけで見てみようと

■登場人物・ストーリー

ストーリーはマッシモ演じるマリオが職を探していたところ、
たまたま郵便配達の仕事見つけたことから始まる
ただその配達先というのがたった一つ
チリから亡命してきた詩人パブロ・ネルーダの滞在先のみ
配達員の賃金は安く、配達先でのチップが主になる
その配達先が一つでは大した稼ぎにはならないけれど
のんびり屋のマリオはその仕事をすることにした あっさり決断w
ミーハー心もあったかと

そして徐々にマリオとネルーダの友情が芽生えていく
本当のネルーダの性格は知る由もないけど
少なくともこの作品のネルーダは穏やかで温かい老人といったところ
ネルーダ役はフィリップ・ノワレというフランスの名優
あの『ニュー・シネマ・パラダイス』のアルフレードじゃないですか!
ネルーダはマリオがあまりにピュア?で
大人なんだけど子供みたいに無邪気に接してくるもんだから
親切に質問にも答えて相手をしている感じ
ちなみに原作の小説では17歳の少年が主人公のようですが
さすがに40歳のマッシモが17歳の役は・・・ということで
30歳の設定になったらしいです
17歳の主人公だったらまるで『ニュー・シネマ・パラダイス』風になってましたね
ネルーダ亡命中の緊迫感は映画の中ではほぼ皆無

まあそんな感じで美しい島の風景と穏やかな時間
田舎の人々の貧乏だけどある種の平和な日常
それだけでも見てて癒されます~

かつてこの映画を見たときは
どちらかというと登場人物に注目していたように思う

洗練されていない田舎の人たちの会話や
マリオとネルーダのやり取り、マリオが詩(隠喩)に目覚めていくところ、
町の居酒屋の娘ベアトリーチェに恋をして舞い上がるマリオの様子や
ベアトリーチェ役の人の印象的な顔(野性的な美人顔?)とか

それが今回、人物以上に印象的に感じたのが
彼らの暮らす島とそこに吹いている「風」でした

■映画音楽の存在

映画における音楽の存在は
作品ごとにその役割が違うと思う
先日エンリオ・モリコーネについてのドキュメンタリー
モリコーネ』を見たけど、
彼の映画音楽は、完全にその作品の一部を担っていて
それ込みでの作品、という感じがする
言い換えればそれなしでは完成しない作品
モリコーネほど作品の内容を音で表現する力のある人はいないのではと思うほど
なんなら映画を見なくても
サントラ盤があれば映像が思い浮かぶというか

ただ一方で、映画の中の音楽は、「無い」という表現もあり
それが効果的だったりする
実際全く音楽がなく、自然の音(風や水の流れる音や町の騒音など)だけの作品も
なぜか記憶に強く残っていることがある
フィクションなんだけどドキュメンタリー風な感じで
現実の近くにその世界があるような錯覚
夢か?現実か?みたいな

この映画は後者寄りで、メロディーのある音楽もあるけれど
いわゆる“キャッチー”なフレーズがあるわけではなく
まるで風に音を乗せた、といった感じの音表現になっている
場面場面で吹く風はそれぞれが違う
その風のそれぞれを音で表現しているといった印象
もちろん自然の音(風そのものの音)もあるし
ほかにも海岸に打ち寄せる波の音(これも波は風が起こすものだから、風の音ともいえる)や
海の上の音、漁の網の音、山の上の風、自転車のベル、居酒屋での食事をする音、
ネルーダの家のレコードから流れるタンゴでさえ、
自然界の音のようにその場に溶け込んだ音のような感じがした

■再レビュー in 2023

物語の最後はマッシモ自身の最後と重なり物悲しいものだけど
切ないだけではない、柔らかな気持ちが余韻として残る
それには今回感じた様々な「音」の存在もあったかと思う
また、以前より意識が向いた島の風景
これは間違いなく今の自分が欲している自然との接触不足のせい
コロナのパンデミックを経験してからは特に
自然と関わる時間が足りないということに気づいて
常にどうにかしたい、緑の中を歩きたい!!*私は海より山派
やっぱりデトックスというか、人間も自然の一部ということか
自然の中で思いっきり空気吸いたいですよねー
私は地方の田舎育ちなので、
ひょっとしたらそういう環境が元になって自分が出来ているからかなとも思う
虫だってゴキ○○とコオロギ(←形態似てるから)以外なら
今でもまあまあ大丈夫だし、
歳のせいか無駄な殺生はしなくなったし
それに植物育てたくなった
オカンが昔よくやってたことやん 苦笑

あとは、シンプルに「生き方」を考えさせられる
この映画にある様々な愛情(友情・恋愛・家族愛など)は
メリハリがあるほど人生にも抑揚が生まれ、表情が生まれることが分かる
ネルーダは愛を詠う詩人(男女の愛)として世界的な英雄で人生激動すぎる・・・
(これはちょっとしんどいから自分としては遠慮したいけど 苦笑)
マリオは詩(愛)に目覚めてイキイキとし、明らかに生活にも光がさし、
自分の家族も持って・・・いかにも幸せそう
ベアトリーチェの叔母(居酒屋の女将)は母親代わりだからお節介!?で小うるさい 苦笑
この叔母さんもいいキャラしてて、物語の中では発言がとても微笑ましい
なにはともあれそれぞれが感情表現が豊かであることで
なんかシンプルに楽しそうな感じ
生きている感がある

また、戦争などの時代背景もあると思うが(ネルーダは共産主義者でそもそも国を追われてる身分)
みな情熱的に生きているし、そうありたいと思っているように感じる
ラテン系の人の特徴かなあ
かといってまた当時のような血を流すようなやり方を求めているわけではないけど
気持ちだけは見習わないといけないと思う
時代とともに変革や改良が必要なことがたくさんある現代だけに
この映画のそういった側面も気になった
政治体制も法律も、すべて見直すべきタイミングですからね
映画は1994年制作、私がDVDを最初に借りたのはさらに10年後位?、とはいえ
2023年私たちはその当時とは全く別の世界を生きている
自分自身の人生は自分の意志で生きるもの、
待っているだけでは幸せはやって来ない、
生きる=行動・変化、みたいなことを改めて考えさせられた


さてさて今回はイタリア映画『イル・ポスティーノ』の再レビュー
総合★5つです~

最近は私の外国熱も冷めて、特に行ってみたい国や場所はないのですが
今回の鑑賞を経てここ行きたくなりました!
このロケ地はイタリアのナポリ湾に浮かぶサリーナ島らしい
個人的には「崖」が好きなのでそこは逃せないポイントw
知床や東尋坊とは違う地中海の明るさには興味深々♡

あと前から不思議だったのですが
南米(中米)の人って詩好きですよね?
以前TV番組で俳句を詠むメキシコ?の女の子がいてその時も思ったんだけど
*日本語でない俳句は正統な俳句とは言えないように思いますが
それはまた別の話として・・・
詩は日本でも「うた」として愛の表現方法だったかと思うので
それ自体が愛ということであれば
愛情あふれる情熱的なラテン系の人にはピッタリの表現ということでしょうか?
映画の中でもネルーダは女性に大人気で
マリオに自分への愛(詩)を詠まれたベアトリーチェもとってもご満悦そうだった
結果結婚までしてますし
(水虫くらいしか持ってない男とは結婚させないと叔母さんが言ってたのがウケた)
日本の現代の女性はどうなんでしょうね?
ベアトリーチェの気持ちは分かるんでしょうか?
昭和だったら、
ギターで弾き語りをされて嬉しいという女の子もいたよな~なんて思い出しますが
アニメとラブコメ大好きな令和の女子はどうなんですかね
もちろん私は「うた」も「詩」も全く響きません 苦笑
おかげ様でおひとり様、満喫しておりますww

ということで・・・

イタリア映画が好きになったきっかけでもあるこの作品
ぜひまた数年後に見てみようと思いました
その時は何してるんでしょうね~私
まだおひとり様かな?ww
楽しみです

この作品を見たことがない人も、
見たことはあるけど私みたいな人もみんな
機会があれば見てみてくださいね!

また名画(or 迷画)の見直し作業していきます
次は何にしようかな~

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